記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

舞台 娼年の感想 東京公演初日

2016年8月26日、金曜日。

東京池袋駅西口、東京芸術劇場にて

舞台 娼年 の初日公演がありました。

娼年



原作は石田衣良さんの小説、「娼年」

私はこの原作が好きでしたが、続編の「逝年」は知りませんでした。


舞台・娼年はこの2冊の原作を、三浦大輔監督が新たに脚本し監督した舞台なのです。





※以下、ネタバレあります






三浦大輔監督は、「愛の渦」でとても衝撃的で、
センセーショナルだとか、ほぼ全編裸とかで話題になりました。

モロにセックス描写が露骨な題材ですが、ただのセックス映画ではなく、
人間の欲望とか、本能とか、脆さ、儚さが描かれていて、
寂しさと虚しさと、どこか現代を投影しているような…

ありそうでなさそうな世界でした。



そして、私は松坂桃李くんが大好きなので、
今回の舞台を知った時の衝撃ったらありませんでした。


あの、「娼年」が「舞台化」できるのか!?
しかも大好きな「松坂桃李」で、あの「三浦大輔監督」だと!?




私の中でトリプル・3大・ミラクルコラボだったのです。
これは、見ない訳にはいかないと。




今日、9月16日は、東京公演・大阪公演も終わり、久留米で公演が行われています。
もう、終盤も近いですが、拙い文章ながらも感想を残してこうと、記事にしました。




娼年の原作は、主人公の領が娼婦になる話です。
内容はとてもシンプルだけれど、描写や文章が美しく、
具体的で、現実的で、非現実的です。





人が誰かを知るときは、まず挨拶をして、表面から入っていく。
けれど、この話では、まず肉体を知る。


まず、セックスをする。

何人もの女性と体を重ねて、彼女の内なる願望を引き出し、寄り添い、満たしていく。

それは、彼女たちにとっても普通なら誰にも見せられない特別なものだけれど、
特別なものだからこそ、その思いを抱えて、孤独で。
自分の生きる現実世界とは違う出会いの、領にだけ見せる事ができる自分なんだと思いました。


また、領自身もずっと抱えていた孤独。
幼い時に母を失った自分を、この仕事を通じて癒すことができる。


ただのセックスではなく、人々の生き様を感じさせる舞台でした。




濡れ場は想定の遥か上をいってました。


まさかの本番さながらのセックスシーンの連続で、相当突き抜けていました。

三浦監督だからセンセーショナルだとは覚悟してましたが。

あの、桃李くんがここまで、いきなり大胆にやるのか!と、衝撃で観客全員が固まっていたと思います。



女優陣も凄かった。

全の動き・声に感覚のリアルさが込められていて、観ていて、今どう感じてどう登りつめているのかも

手に取るように観客に伝わってきました。




おそらく、人によってはAVだとか、卑猥で下品な作品だとしか受け取れない人もいるでしょう。
それは、それで色々な感じ方があると。


けれど、セックスにはそんな一面だけではなく、
本来、男女が愛し合い、より深い絆や信頼関係を得られる。

精神的につながる事ができる神聖な行為でもあると思うんですよね。



肉体を知る事が、その人の内なる鍵を開けて、心の中を覗き込むような

その人の本質を知るような

そんな話だと思うのです。



そのために、過激なまでの性描写をありのままに描くことにこだわる必要があり、
音や声、演出で生々しさを出した。


領も女性も、お互いが本気でぶつかり合っている。
共鳴しているという事を、ありのままにリアルに再現する事で、
その本気度と高まりと、真剣さ・夢中さを伝える事ができる。


きっと、うすっぺらい、ご想像にお任せしますという表現なら、
観客に伝わる事はないんですよね。


それはリアルさを追求していて、本気で向き合っている凄まじさがあるからこそ
より彼女たちの抱えている欲望の裏にある、
美しさや儚さ、切なさを再現しているんだと思いました。





個人的に、原作で一番印象に残っているのは「イツキ」です。
舞台では須藤理彩さんが演じていました。


イツキは、小学生の頃に幼馴染の男児と下校途中に、尿意をずっと我慢しているが、
とうとう漏らしてしまったという経験が、彼女の人生を全て変えてしまったという女性。

放尿を見てもらう事が、彼女にとってより深い最高のエクスタシーという、変わった性癖の持ち主。


原作の中でも、ずば抜けてインパクトがあり、コンプレクスや様々な性癖を持った女性の中でも
特に印象深く、けれど私はなぜか、イツキがとてもかわいいと思うし、


彼女のシーンが舞台で再現された事に、とても衝撃を受けました。

ある意味、セックスよりも過激なんじゃないかと。



自分には、そんな性癖はないけれど、なんとなく理解できるような気もするんです。
イツキのような女性もきっといるし、そんな彼女を全肯定してくれる。

そんな愛情深さが、領にも、この作品にもあります。


全ての女性を全肯定している、そんな作品なんです。


役者さんは全員、魂ごと体張ってました。

これは、映画ではなく舞台という臨場感が、より深い世界観と空気を作り出していたと思います。



個人的には、女性にこそ観てほしい作品でした。

桃李くんも相当素敵ですよ。



今回、一枚だけチケットが取れたので一人で行ったのですが、育児疲れも妊娠疲れも全て吹っ飛びました。
何日間も引きずるように、しばらくはこの作品の事でいっぱいでした。



カーテンコールでの表情みて、改めて役者さん全員、覚悟を持って挑み、

みんなすごくお芝居が好きなんだなと、感じました。

あれはもう相当な戦いだったはずです。






娼年




お芝居が観れなかった方も、ぜひ原作の「娼年」
機会があれば、読んでみてください。




私は、この作品を生で観れた事は一生の宝物です。
松坂桃李、超かっこよかった。

彼じゃなきゃ、できなかっただろうな。



素晴らしいの一言です。感謝しかない。





最後に、小説の中で好きな言葉がありました。

正確な文章ではないですが、


「一人の女性を通じて、全ての女性を抱いている」


だったかな?

小説の文章の中で、なぜかとても壮大なテーマを感じずにはいられませんでした。

領のある種の普通さと、全ての 年代の女性を受け入れ、賛美してくれるその姿勢が読んでて心地よく。


セックスが退屈だという若者にも、心の底から震えるような体験が待っていればいいな、と思いました。
きっと、そんな理想的な夢も魅させてくれる作品ですね。


なかなか普通の生活とはかけ離れた世界なのですが、
物語は領の成長を描いているので、
テーマの割に全くダークにならない。


成長のお話しでもあります。



妊婦の私にとっても、いい心のうるおいになりました。







スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

funksfun

Author:funksfun
派遣社員+デザイナー+ママの、気まぐれな日記。
2歳児育児と第2子妊娠中。
育児や妊娠生活、ウェブショップなどの情報も配信します。

最新コメント

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。